最初に簡単なご報告から ── 本日、さわらびゴシックを更新いたしました。バージョン番号は例によって日付をそのまま数値にした 20120515 です。更新内容も例によって漢字グリフの増量で、増量数もほぼ通例どおりの 50 です。すべていつものとおりです。
さて、話題をタイトルの件に戻します。さわらびフォントのライセンス変更については、かねてから考えてはいたのですが、現在 Creative Commons から、より制約の緩いもの(たとえば M+ フォントライセンス)への変更を検討しています。
フリーフォント界隈では、フォントの著作権についての議論がしばしば行われてきましたが、しかし奇妙なこと(あるいはそうも見えること)もあります。というのも一方で、日本においては原則的に漢字フォントの著作権は認められていないとも耳にするからです。両者は互いに矛盾していると思いますが、私はこのあたりの事情に詳しいものではないので、ハッキリどうとコメントすることはできません。ただ、漢字フォントに著作権はないという見解は、専門家の口からも聞くことができるようです。
現在さわらびフォントが採用している Creative Commons Attribution ライセンスでは、しかし、著作権の表示を求めています。もし漢字フォントに著作権がないなら、この要求は(少なくとも日本においては)法的に少し混乱しているようにも見えるのです。
さて専門家ではないので、どう考えるのが正しいかはわかりません。しかし、こうした事情も手伝って、ライセンス変更について改めて考えているところです。
もし、ご意見などございましたら、お寄せいただけると幸いです。
Published 2012年5月15日 – 8:46 AM
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1 年 1 ヶ月ぶりの更新です。ブログの更新はすっかり手つかずになってしまいましたが、さわらびゴシックのほうは、順調に(?)月 1 回のペースで更新してまいりました。本日も夕方ごろに無事リリースすることができました。
すでにお伝えしたとおり、さわらびゴシックは、すでに教育漢字をすべて収録しています。教育漢字の完了後、しばらくは、とりあえず第一水準漢字をメインにグリフの作成をしていたのですが、最近は常用漢字を優先するようになってきました。もっとも、全然関係ない第二水準漢字などもけっこう増やしていたりするのですが。
で、現状の進捗がどうなっているのか、少し数値を出してみました。まず常用漢字です。常用漢字 2,136 文字中、作成済みが 2,079 文字(残りが 57 文字)。97.33% 完了していることになります。もう一息ですね。
次に第一水準漢字。これは 2,965 文字中 2,576 文字作成済みですので、86.88% です。こちらもなかなか悪くない数値ですね。しかし、第二水準のほうは優先度が落ちていますので、あまりよい数値ではありません。3,390 文字中 570 文字ですので、まだ 16.81% というところです。
Published 2012年4月15日 – 10:53 PM
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3月11日に大災害が起きてしまいました。私は首都圏在住の者で、単に帰宅困難者になったくらいでしたが、ニュース映像を見て大きなショックを受け、現実感を喪失して半ばボーッとし、そのままでいるとだんだん泣けてきてしまうという、少しあやうい数日を過ごしました。自分は弱いのだなということに改めて気づき、ならば実際に被災された方々は果たしていかばかりだろうかと考えました。ましてや身内を亡くされた方々のことを想像すると、言葉にもできません。
しかし、無力な私にできることはほとんど何もなく、ただ我が身の日常を支えるのに精一杯という情けなさです。考えが悪い方向に落ちてしまうのを止められたのは、とにかく考えるのをやめて、音楽を聞き、単純作業に没頭することでした。私は自分のことばかりです。
そんなわけなので、実はどうしようかとも考えたのですが、作業がひと区切りのところまで済んだので、リリースすることにしました。漢字の増量はいつもどおり 50 です。
Published 2011年3月15日 – 10:20 PM
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さわらびフォントは、ゴシックばかりを更新していて、明朝のほうはほとんど手つかずという感じになっていますが、前回電子書籍を少し意識したということもあり、明朝のほうにも手をつけてみました。といっても、漢字グリフの増強よりも、まずひらがな、カタカナのデザインの見直しから入ることにしました。
まだデザインの調整に入ったばかりで、位置調整やそれぞれグリフのサイズ調整などは十分ではありません。しかし、一応それなりに整ってきたと判断して、この状態でいったんリリースということにしてみました。あたらしいかな文字は、下図のような感じになっています。とくにカタカナの印象は大幅に変わったかもしれません。

さわらび明朝(20110220)かなもじサンプル
以前のかなもじは、ゴシック体のデザインをもとに、そこに明朝体かなもじ風の装飾をほどこしていましたので、横棒などはほぼ水平、縦もほぼ垂直という感じでした。しかし明朝体のかなもじは楷書体風のデザインですので、もっと実際の筆記文字に近いデザインにしたほうがそれらしくなります。今回はそれを意識してデザインを変更してみました。いかがでしょうか。
それから今回は、欧文文字のほうも「ラテン1補助」と「ラテン文字拡張A」を中心にグリフを増やしました。ドイツ語やスペイン語などに必要なグリフも揃ったかな、と思います。
どうぞ、よろしければお試しください。
Published 2011年2月20日 – 8:58 AM
Categories: さわらびフォント
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さわらびゴシックをまた例によって更新しました。今回は漢字グリフの増量が 55 と、5 文字分だけいつもより多いです。リリースノートの書き方を若干変え、追加したグリフを、漢字グリフに限らず、記載することにしました。ただし、全リストのほうは相変わらず漢字グリフだけです。もっとも、こちらのほうのリストは、数が少ないうちは意味がありましたが、そろそろ必要なくなってきたかもしれません。
世間では電子書籍の話題が出て久しいということもあり、今回の更新に際して、一応さわらびゴシックでも、縦書きについてもっと意識してみようか、などと考えました。もっとも元来がゴシックですし、漢字グリフも足りていないですし、デザインもまだまだ難があるなというところで、書籍向けとは全く言えないわけですが、それでも一応縦組み表示をシミュレートする Python スクリプトなど書いてみて、いくつかの例文を表示させつつ、グリフの微調整を試みてみました。以前よりはバランスがよくなったかとおもいます。
もっとも、縦書きは Linux 環境(OpenOffice.org の Writer)ならうまくいくようですが、その他の環境ではうまくいかないようですね。要調査です。
いつも書いている、漢字グリフの進捗も書き記しておきます。第一水準漢字は約 69 %(2965 文字中 2047 文字)、第二は 11 %(3390 文字中 377 文字)となっています。
よろしければ、どうぞお試しください。
Published 2011年2月15日 – 8:41 AM
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2011 年も明けて最初の 15 日が参りました。このところ毎月 15 日にさわらびゴシックを更新してきましたので、例にならって今月も本日更新をいたしました。いつもどおり漢字グリフの増量は 50 です。
今回の版で、漸く教育漢字がすべて完了いたしました。教育漢字を優先的に進めたり進めなかったりという作業進行だったので、遠回りの感もありますが、漸く一段落という感じです。
さて、一応今後も第一水準漢字をすべて埋めるくらいまでは作業を進めたい考えですので、更新は続けようと考えています。できれば、やはり月 1 回のペースは最低でも守りたいところです。リズムを崩すと、おそらく停止してしまうでしょうから……。
私が係わりだした頃から比べると、フリーフォントの状況は格段によくなっていると思いますので、さわらびフォントの存在意義は、あまり大きいものではないかもしれませんが、よろしければ今後ともご愛顧お願い申し上げます。
Published 2011年1月15日 – 6:23 PM
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今月も、どうにかこうにかという感じですが、さわらびゴシックを更新できました。いつもどおり漢字グリフの増量は 50 です。
教育漢字はこれですべて完了かと思いきや、実はあと 18 文字分残っています。残念……。作業を急ぐ分、どうしても目に付いたグリフから作業してしまう傾向になってしまいました。
第一水準漢字はこれで約 65.6%(2965字中1946字)をカバー、第二水準は約 11%(3390字中374字)で(パーセンテージは)前回と(ほぼ)変わらず、という感じです。
グリフ実装の進捗はあまり芳しくありませんが、今回は TTF ファイルだけでなく、OTF も公開してみました。試しに、という感じではあるのですが、どうでしょうか。
Published 2010年12月15日 – 9:42 PM
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さわらびゴシックの更新が、月2回にしたいと思いながらも、完全に月1回ペースになってきてしまっていますが、とにもかくにも新しいバージョンを公開できました。今回も漢字グリフを50個追加しています。
数ヶ月前までは教育漢字を早めに埋めてしまおうという考えで作業を進めていたのですが、このところ方針を変えていました。そのため、いまだに教育漢字でも欠けているグリフがあります。38個。教育漢字は全部で1006文字ですから、約3.8%がまだ埋まっていないというわけです。残りわずかですし、これはさすがに早めにどうにかしたいと思っています。
なかなか教育漢字がコンプリートしないということは、つまり最近の作業は教育漢字外で進んでいたわけです。では、第一水準漢字という観点で見たら作業はどのくらい進んでいるのでしょうか。調べてみると、埋まっている割合は約64%でした。詳しく言うと、第一水準漢字2965文字中1901文字のグリフがすでに完了という内訳です。ちなみに第二水準漢字だと約11%(3390文字中370文字)です。そして、この第二水準までの全漢字を埋めることを考えると、現在の進捗は約35.7%ということになっています(2965+3390=6355文字中、1901+370=2271文字)。
……35%というのは、あまり高い数字じゃありませんね。こうやって達成率の数字を見てみると、もう少しペースを上げないとだな、と改めて思えてくるわけです。(できるだけ)がんばります。
Published 2010年11月15日 – 10:47 PM
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前回は、FontForge に読む込むためのファイル形式の話と、実際に読む込むための操作手順について書きました。
しかしグリフの数というものは、もとより 1 つや 2 つで済むものではありません。日本語フォントともなれば、ずいぶん多くのグリフを扱わねばならず、それをいちいちマウスで手順どおりやるとなると、FontForge に読み込むだけでも手間になります。
このような大量の定型処理に便利なのが、プログラムによる自動処理です。FontForge には、スクリプトで操作できるようなインターフェイスが用意されていますから、もしこれを使ったらどうなるか、というのを今回書いてみたいとおもいます。
FontForge のスクリプトは、C 言語とシェルスクリプトの中間みたいな独自言語と、Python が用意されているようです。私は個人的に Python が多少使えますので、Python でやってみましょう。
まず、既存のフォントファイルもしくは FontForge の sfd ファイルを Python で開く方法です。これは、次のように書きます。
import fontforge
f = fontforge.open('フォントあるいは sfd ファイルのパス')
これで OK です。このように読み込めば、各グリフ(のスロット)には、
g = f[グリフのコード番号]
でアクセスできます。アクセスしたグリフに SVG ファイルを読み込む(インポートする)には、
g.importOutlines('SVG ファイルのパス')
という具合にすればよいのです。最後に保存するには、
f.save('保存先のパス')
で、sfd ファイルとして保存ができます。やり方がわかってしまえば、とても簡単そうですね?
具体的なスクリプトを考えてみましょう。たとえば、グリフをデザインした SVG ファイルを、uniXXXX.svg という形式のファイル名で、ひとつのフォルダにまとめて保存していたとします(XXXX の部分はグリフの16 進数表記のコード番号です)。この場合、次のようなスクリプトを書けば、すべて自動でグリフを読み込ませることができることになるでしょう(試してみたかぎりでは、たぶんこれで大丈夫…)。
#!/usr/bin/env python
import fontforge
import os
font_path = '読み込みたいフォントファイルあるいは sfd ファイルのパス'
output_path = '保存先にしたい sfd ファイルのパス'
svg_dir_path = 'SVG ファイルを格納しているディレクトリのパス'
font = fontforge.open(font_path)
files = os.listdir(svg_dir_path)
for n in files:
if n.endswith('.svg'):
code = int(n[3:-4], 16)
if not (code in font):
font.createChar(code)
else:
font[code].clear()
font[code].importOutlines('%s/%s' %(svg_dir_path, n))
font.save(output_path)
なお、FontForge の Python インターフェイスについては、こちらのサイトに資料が用意されていますので、参照してみてください。それから、もっといい便利なスクリプトが書けるよ、などの情報がありましたら、ぜひお知らせくださったら嬉しいです。
Published 2010年10月15日 – 8:57 PM
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FontForge にはベクタデータを編集する機能がひととおり揃っていますが、「自分は Adobe Illustrator や Inkscape を使い慣れているからグリフデザインはそちらでやりたい」という人も多いでしょう。実際、Illustrator でグリフを起こしているというフォント作成者も多いだろうとおもいます。
Illustrator で作成したベクタ画像を FontForge に読み込むのは、別段難しいことではありません。とはいっても、さすがに拡張子 AI のファイルそのままを、FontForge が読み込んでくれるわけではありません。多少は気を遣う必要があるのです。ま、内容としてはごく簡単な話なのですが、今回はそれについて書きます。
まず、既存の画像ファイルを FontForge のスロット(グリフを格納するセル)に読み込む方法を簡単に見ておきましょう。まず、スロットをひとつ選択します。そして、メニューの [ファイル] – [取り込み…] を選択します。すると、[Import] というファイル読み込み用のダイアログが出てきます。ここで画像ファイルを選んで [取り込み] ボタンを押せばよいのです。
FontForge が読み込める画像は、フォーマットが決まっています。どんなフォーマットがサポートされているかは、さきほどの [Import] ダイアログの [フォーマット] 欄を見るとわかります。ラスタのフォーマットも用意されていますが、今回対象にしたいのはベクタですのでラスタは無視することにします。このうち、Illustrator がサポートしているベクタフォーマットとマッチしているのは、EPS と SVG です。
Illustrator ユーザにしてみれば、EPS のほうが馴染みが深いでしょうし、SVG より便利そうですから、こちらを選択したいところかもしれません。しかし、私が試した限りでは、Illustrator の EPS は FontForge でうまく読み込めないようなのです。一方、SVG のほうは読み込めました(SVG 1.0 で試しました)。ですので、Illustrator で作成する場合、SVG で保存するのがよいようです。
Inkscape の場合、デフォルトの保存フォーマットが SVG です。この場合、そのまま保存すれば大丈夫です。
ということで、まず今回は、画像のフォーマットについてのお話でした。
Published 2010年9月15日 – 10:12 PM
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